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高水温続く海で揺れるホタテ養殖 研究所が生産者に注意呼びかけ

養殖ホタテについて、技術センター水産総合研究所は、生産者に対し養殖施設を下層に沈めたまま動かさないよう呼びかけています。例年に比べて水温が高く、体力を消耗した状態で動かすと、へい死や異常貝の発生率を高める恐れがあるため注意が必要です。また、玉付けや掃除、へい死確認なども行わないよう注意を促しています。高水温の影響で、稚貝分散の開始時期は例年より遅れる見通しです。

水産研究所によると、ホタテの新貝と成貝は水温が20度を下回ると成長が鈍り、以降は中腸線や貝柱のエネルギーを消費します。水温が24~25度で成長が止まり、26度を超えるとへい死の危険性が高まります。稚貝の場合は23度以上で成長が鈍り、24~25度でへい死に至るとされています。水温がピークを迎える8月下旬~9月中旬の水温は、平年(約23度)を大きく上回る26度台に到達しました。9月の平均水温は25度と高く、記録的な高水温となっています。こうした背景には、気温の上昇や、暖流の流入など、複合的な要因が関係しているとみられます。ホタテへの影響は11月に予定されている秋季実態調査で明らかになる見込みです。平均気温は依然として平年を上回る傾向が続いており、研究所は引き続き生産者に注意を呼びかけています。

一方で、ホタテ稚貝の採苗状況は西湾で付着数が持ち直すなど近年としては比較的良好でした。この高水温に耐え、来年以降の水揚げにつなげられるか、今後の取り組みが注目されています。

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