冷凍マグロそのものを保冷材として活用し、冷凍機の電力消費を一時的に抑制することで、電力供給の調整に役立てる取り組みが始まりました。
この取り組みは、電力の調整が必要なタイミングで、電力会社が冷凍機へ指示を送り、超低温庫で利用されている空気冷凍システムを制御し、同社管内の電力需給バランスを調整するシステムです。こうした需給調整市場に、超低温庫の冷凍機を活用した仕組みが参入するのは国内初です。一時的に抑制してもマイナス60度で保管されたマグロが倉庫内の冷却源となり、倉庫温度を保つことが可能です。こうして削減された電力は、電力会社が電力の需要と供給を調整する際に活用されます。冷蔵庫業者は需要の抑制量に応じた対価を受け取る事ができます。需給調整市場では、需要と発電量の間に誤差が生じた場合、契約した事業者の電力使用量を抑制します。
また、発送電分離により、電力の供給側と送配電側が法的に別々になった事で、広域な地域での需給のバランスが取れるようになりました。
冷凍マグロを冷却源として活用する新たな取り組みにより、食とエネルギーという異なるジャンルが交わり、脱炭素社会実現に向けた一歩が今後さらに広がっていくことに期待が高まります。
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