大阪市内にて西日本地区塩干魚部業務部会が開かれ、カズノコや棒ダラをはじめとする年末商材の生産・販売動向について情報交換が行われました。
カズノコは近年豊漁が続いていましたが、今年は北海道での水揚げが前年比52%減となり、年末にかけて品薄が懸念されています。棒ダラは北海道各地での水揚げ減により供給量は微減し、大サイズはタラフィレー需要の影響を受け値上げ傾向にあります。サケ・マス類では、塩ベニサケフィレーは豊漁だったものの米国産の搬入が見込めず、製品価格は昨年比約1割高が予想されています。秋サケは昨年以上の不漁により、加工用原料は極端に少ない状況です。イクラは輸入物が少ない中、新物相場が高騰しており、過去に例のない価格となっていることから販売は厳しい見通しです。田作りは日本海側での漁が少なかったものの、大分での漁により昨年並みの入荷となりました。また、カタクチイワシの減少を受け、一部量販店では代替としてヒラゴイワシを使用する動きがありますが、今後の定着については意見が分かれました。
消費の減少傾向に加え値上げが避けられない中で懸念の声が上がる一方、通販おせちの好調やホテル代の高騰により「家庭で正月を過ごす人が増える」との見方から、年末商材は売れるのではないかと期待の声があがっています。
主要年末商材は減産や価格上昇が相次ぐものの、在宅需要を追い風に販売回復への動きが見込まれます。
コメント