アユは、秋に川の下流で産み付けられた卵から一生が始まります。卵から約二週間でふ化した稚魚は、川の流れに乗って海を下り、プランクトンが豊富な岸近くの海域で冬を過ごし、春までに体長10㎝ほどに成長します。
春になると、アユは再び川を上り、上流を目指して力強く泳いでいきます。夏の間は上流で、主に石についたコケを餌にしており、くしのような歯で石の表面をこそげ取るようにして食べます。この行動はなわばりを作る習性とも関係しており、アユの特徴的な生態の一つです。
そして秋になると、成長したアユは体長20㎝ほどになります。成熟したアユは川の下流の砂利底に卵を産み、その一生を終えます。このように、アユの一生には川と海の両方の環境が欠かせません。なお、琵琶湖などでは海へ下らず、湖を海の代わりとして生活する「湖産アユ」も知られています。
大阪湾で冬をすごしたアユは、春になると淀川などの川をさかのぼっていきます。しかし、川に堰(せき)やダムがあると、アユが上流へ移動できなくなる場合があります。そのため各地の漁業組合では、アユの放流を行ったり、魚が行き来できる「魚道」を整備するなど、アユが遡上しやすい環境づくりが進められています。
また、大阪府の研究機関では、アユがどの時期にどこに分布しているのか、川や海がアユにとって住みやすい環境になっているのかを調査し、資源の保全や水環境の改善に役立てています。こうした取り組みを広く知ってもらう機会として、今年の秋には大阪で、海や川を守る大切さを発信する全国規模のイベント、第45回全国豊かな海づくり大会「魚庭の海おおさか大会」が開催されます。
こうした取り組みを通して、アユをはじめとする生きものがすめる豊かな海や川を守る活動への関心が、今後さらに高まることが期待されます。
コメント